本やジンを扱うお店、届け手・ディストロの皆さまへ

2026年3月、私たちPFCにとってはじめての訳書『コンバヒーリバー・コレクティヴ宣言━━ブラックフェミニズムをつくってきた黒人女性たちは語る』(花伝社)が刊行されました。

一冊の本を翻訳し、形にするまでには長い時間がかかります。その過程で私たちは、これまで日本語を通してはあまり知られたり、語られてこなかった人びと、その活動や作品、それらが織りなす連関に繰り返し出会ってきました。そのうちコレクティヴのメンバーの中で/あいだで、かれらやその言葉たちは存在感を増していきます。すると、それについて断片的にでも、誰かと話したくなるし、書いてみたくなる。わりと/つねにそんな思いになってきていた私たちは、コレクティヴでブックイベントなどに参加する機会を得るたび、それぞれのやり方で綴り、「ニュースレター・ジン」としてまとめてきました。

人が生きていくにあたって、「ロールモデル」というのとも少し違う、私的に心を寄せることのできる、言葉や人びとの連なりを心の中に持つことは、一つの支えになる。それはたった一人の傑出した誰かではなく、日々の生活のなかから生まれた表現や思想、あるいはともにあろうとする集団的な営みに対するものです。たとえ生きるバックグラウンドが自分たちとはかなり異なる世界のものであっても、人びとがそうした存在を見つけてくる選択肢は、もっと広くてあっていいはずです。一冊の訳書が、大きなまとまりをもってそうした出会いの場になるのだとすれば、「ニュースレター・ジン」では、断片的にでも、そしていろいろな語り方で、そうした出会いの機会を、もう少し短い時間のスパンの中で作っていきたい、という思いから存在しています。

あわせて、セレクトしたジンの流通(ディストリビューション)も始めました。まずはPFCと関わりの深い作り手によるジンや印刷物から、私たちの発行物と一緒にお届けしていきます。


お取り扱い(卸販売)のご案内

PFCでは、私たちのジン、およびセレクトしたジン/印刷物を、あなたのお店や活動の一角に加えていただける方を募集しています。各号・各種の組み合わせは自由ですので、お店の棚の関心や雰囲気に合わせてお選びいただけます。

[お取引の条件]

  • 取引形態:買取(卸率70%)

  • 最小ロット:合計3冊より(各号の組み合わせは自由です)

  • 送料:1,000円以上のお取引で無料(1,000円未満は実費185円)

  • お支払い:納品書兼請求書を同封します。商品到着後、翌月末日までに銀行振込にてお願いいたします。

[現在お届けできるもの]

▼ Political Feelings Collective の発行物

『コンバヒーリバー・コレクティヴ宣言』とあわせた展開はもちろん、ジン単体での販売も歓迎いたします。(私たちの訳書やジンを軸にした読書会やフェアなどのイベント企画をご検討の際も、ぜひお気軽にご相談ください。)

  • Newsletter Zine No.4:出版とサバイバル
    2026年 / B6 / 22p / リソグラフ印刷・黒一色 / 定価700円 / 卸価490円

  • Newsletter Zine No.3:いまこそエセックス・ヘンプヒルを
    2025年 / A5 / 22p / モノクロ / 定価500円 / 卸価350円

  • Newsletter Zine No.2:文献テーブル
    2024年 / A5 / 10p / モノクロ / 定価300円 / 卸価210円

▼ 私たちが紹介したいジン・印刷物

PFCと関わりの深い作り手によるものをはじめに、扱われるテーマは限定せずセレクトしていきます。

  • ねむしん『あなたの編みもの仲間に僕も入れて 1-5号合本』

    2023年/A6/80ページ/ 定価500円 / 卸価350円

  • ねむしん『あなたの編みもの仲間に僕も入れて 6』(準備中)

    2024年/A6/16ページ/ 定価100円 / 卸価70円

【ご注文・お問い合わせ】

ご希望の号と冊数を、こちらのフォームからお知らせください。内容・在庫・条件のご相談なども、お気軽にご連絡ください。


それぞれのジンのこと

▼ Political Feelings Collective の発行物

PFC Newsletter Zine No.4:
出版とサバイバル

PFCによる初の訳書『コンバヒーリバー・コレクティヴ宣言——ブラックフェミニズムをつくってきた黒人女性たちは語る』(花伝社、2026)の刊行直後に制作した第4号。

コンバヒーの女性たち、ブラックフェミニストにとって重要な、黒人女性として/黒人女性についての言葉をつむぐことと、黒人女性のサバイバルとの関わりを、特集のテーマとしてかかげました。

コンバヒーの活動の重要な局面において、「書くこと」(彼女たちがブラックフェミニストとしての「宣言」を書いたように)が、そして書くことにとどまらない、自分たち自身での「出版」活動(パンフレットの制作、キッチンテーブル・プレスの創設)が出てくることは、『宣言』本や本号の特集名を冠したエッセイで扱われているところです。

コンバヒーの女性たちの本を訳す過程で、私たちは、彼女たちに加えて多数の他のブラックフェミニストや、黒人女性の存在を知ることになりました。それは「こんな人(たち)がいたの!?」というような経験でした。そんな女性たちやその言葉を、できるかぎり多く紹介してみようと編まれた記事が「In Their Own Words」です。

そして本号には、私たち自身が現在、この世界・社会で生きていく中で、さまざまに抱えるものごとから、きわめて多面的な本『宣言』へと、小さな入り口を一つ一つ開いていく、ガイド記事「最悪な世界を生き延びる方法8選」もあります。

はじめて詩のコーナーも設けました。1980年代、パレスチナの人々の抵抗に連帯を示したあるひとりのブラックフェミニスト詩人の詩の試訳を掲載しています。

[目次]
一人ひとりの有限な生を超えて

└ Political Feelings Collective

出版とサバイバル:アレクシス・ポーリン・ガムス「私たちは自分の母になることを学びうる」を読む
└ 大重祐紀

In Their Own Words:生き延びる言葉
└ 西山敦子 / DIRTY

最悪な世界を生き延びる方法8選━━コンバヒーリバー・コレクティヴのサバイバルガイド
└ ヴィクトル・ヤクシェフ

ジューン・ジョーダン「インティファーダの呪文:b.b.Lに捧げる詩 #8」
└ 西山敦子

[詳細]
2026年3月刊行|B6 |本文 22ページ|モノクロ(リソグラフ・黒1色)

[価格]
700円


PFC Newsletter Zine No.3:
いまこそエセックス・ヘンプヒルを

1989年に公開され、現在はクィア映画の傑作とされている、米国の黒人ゲイ男性たちの生を多声的に描いた、マーロン・リグス監督によるドキュメンタリー『タンズ アンタイド』。この作品が東京で久しぶりに上映されるイベントに合わせて制作した第3号。2020年に日本でこの作品を上映するプロジェクトに、のちにPFCとなる数人が参加しており、字幕制作や解説執筆で関わった。

同作で大きくフィーチャーされた、カリスマ的な詩人エセックス・ヘンプヒル。彼が亡くなった後、その詩集は30年間にわたって手に入らない状況が続いたが、2025年に米国で待望の復刊を果たしたことを祝って彼の名前を掲げた特集となっている。コレクティヴ外の人にも執筆してもらい、1980年代末~90年代前半の米英における黒人ゲイ男性の詩人たちや映像作家、また黒人のゲイの人たちを中心にしたカルチャーを当事者たちが発信していた雑誌、あるいは『タンズ アンタイド』とあわせてみたい2000年代以降の映画の紹介など、ここまでブラックのゲイ/クィアの人たちの表現にフォーカスした日本語での印刷物はなかなかないかもしれません。また、第2号の特集から続くところがある「読書ノート」記事では、コンバヒーの本の翻訳に時間を注ぐにつれて明確になった関心から手に取った本(ブラックフェミニズムの古典的著作、戦前の日本の植民地に生まれた女性の著作、現代の黒人男性作家の著作)について随想が綴られます。

  • 参考:本号のページの見本:こちらの記事、中盤に中身を写した動画あり 📖

[目次]
エセックス・ヘンプヒル詩集『Love is a Dangerous Word』について

└ 西山敦子

政治的感情についての読書ノート
└ Yuki

THINGのインデックス
└ ねむしん

曖昧な輪郭、あるいはエセックス・ヘンプヒルの教え
└ ヴィクトル・ヤクシェフ

タンズ アンタイドについて考えるたびに考える映画
└ しょうぷ

知識人、学者、映像作家、ゲイ・ディーヴァ:リグスそして他のクイーンたち
└ 福島 淳

[詳細]
2025年9月刊行|A5|22p|モノクロ印刷

[価格]
500円


PFC Newsletter Zine No.2:
『コンバヒーリバー・コレクティヴ宣言』のための文献テーブル

2024年6月に開催された「カルチャー、アクティビズム、フェミニズム、クイアが交差する」ZINE&ブックイベントに向けて制作されたニュースレター第2号。

『コンバヒーリバー・コレクティヴ宣言』を翻訳する過程でメンバーが出会った書籍や、併せて読んでほしい関連テキストを紹介する「文献テーブル」です。かつてブラックフェミニストたちが集う場に用意された文献テーブルにちなみ、トニ・モリスンの小説やBLM関連書、ブラックフェミニストの手紙などの読書案内を収録。翻訳プロジェクトの背後にある文脈を共有できる一冊です。


[目次]
ロビン・D・G・ケリー『フリーダム・ドリームス』、藤本和子『塩を食う女たち』
└ 福島淳

アリシア・ガーザ『世界を動かす変革の力』、バーバラ・ランスビー『ブラック・ライヴズ・マター運動誕生の歴史』、トニ・モリスン『スーラ』『ソロモンの歌』
└ 大重祐紀

『Letters from Black Feminists 1972–1978』内容紹介
└ 西山敦子

レベッカ・ホール『女奴隷たちの反乱』、アン・ツヴェッコヴィッチ『感情のアーカイヴ』
└ 家入祐輔

詳細
2024年6月刊行|A5|10p|モノクロ印刷

価格
300円


▼ 私たちが紹介したいジン・印刷物

ねむしん『あなたの編みもの仲間に僕も入れて 1-5号合本』

編みものをテーマに年1回のペースで作られるパーソナルZINEの1号(2018年)から5号(2023年)までをまとめた合本。セーターは自作のものしか着ないという作者による、実感のこもった編みもの活動記録。写真とイラストをたくさん使った紙面づくりも楽しい。定例コーナー「編みものしながら観たいネットフリックスのドラマ3選」などカルチャーのトピックもあり。一部で話題のロングセラーZINE。

詳細
2023年/A6/80ページ
価格
500円


ねむしん『あなたの編みもの仲間に僕も入れて 6』

編みものがテーマのパーソナルZINEの6号目。今号は手編みのカーディガン、ディケンズの小説『二都物語』の感想、神奈川近代文学館「帰ってきた橋本治展」のレポート等を掲載。

詳細
2024年/A6/16ページ
価格
100円